PCRについて
コロナウイルスの検出でPCR検査、というのが当たり前になってきています。
私は本や父(産業動物の獣医でした・健在です)の学会誌などで読んだ程度ですし、をその情報自体も古いものなのですが、少しこのPCRについて書いてみようかな、と思いました。
PCR検査はパーフェクトな検査ではないことをまず頭に入れておかなければなりません。
確かに科学技術の進歩によって数十年前よりはPCR検査はし易くなっているとは思います。 ただ、原理は変わってはいないはずです。
まず、PCRとは:ポリメラーゼ連鎖反応 です。
英語で書くと、polymerase chain reaction です。で、PCR。
ポリメラーゼ連鎖反応????って何?
多分全く生物学などに興味のない人はそこから疑問が生じます。
DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素の働きを利用して一連の温度変化の
サイクルを利用し、任意の遺伝子領域やゲノム領域のコピーを指数関数的
に増幅すること。です。(ウィキペディアより抜粋)
ざっくり理解するとDNAをめちゃめちゃ早く増やす技術です。(コロナウイルスは RNAウイルスですが、そのあたりはおいておいて・・・。)
1983年に発明された画期的な検査方法でした。
ただこの技術には問題点があります。
この検査では標的とする試料を大量に増幅します。一緒についてきた余分なものまで増幅しちゃいます。
なので、試料を採取するときに汚染されれば汚染物質も一緒に増幅します。
現在、PCRでのコロナウイルス検査時に擬陽性が出たりして正確さに欠ける原因はここにあると思います。
世界中の検査機関で検査の専門家が汚染されないように十分気を付けて検査できているわけではないだろうな、と推測します。
”技術者の指先から落ちたたった一つの粒子や汚れた試験管のおかげで一か月かけた研究結果が台無しになることもある。”(1995年出版 ロビン・マランツ・ヘニッグ著:ウイルスの反乱 英名:A dancing matrixより)そうです。
日本の医療機関がCT検査を多用して肺炎の判断をする根拠の一つにしているのは正しいと思っています。そのうえでPCR検査をしたほうが正確な診断ができるからでしょう。
問題点はどうしても時間がかかってしまうことです。
この二つの検査を同時に行ってもう少し時間がかからないようなシステムにできればいいな、と思います。・・医療機関の方々は殺人的な忙しさになるかな・・。
ついでに使用する薬もマニュアル化しちゃえばいいよね、と気が早いですが思います。
九州大学では”イムノクロマトを原理とした抗体検査キットによる血清抗体の検討”をしているそうです。(インフルエンザ検査キットとか妊娠検査キットみたいなやつです)
コロナがインフルエンザの検査のように検査キットですぐわかるようになればいいですね。 PCR検査もCT検査も随分と減らせますね。
先日、日本感染症学会のホームページでの新型コロナウイルス感染症の症例をみていたら、4月30日をもって緊急症例報告募集を終了しますとの告知を見ました。
充分な症例が集まったそうです。
一日でも早くコロナウイルスの治療指針ができればいいなぁと思います。大変だとは思いますが医療機関の方々に期待している次第です。
まだまだ油断はできませんが、世界中の医療機関の方々の尽力で少しずつコロナウイルスに対する対応の仕方が見えてきているようです。 そのことに期待しつつしばらくは家でじっとしてウイルス拡大に寄与しないように日々を過ごそうと思っています。